2015年3月24日火曜日

POMMERY & GRENOの灰皿


 今年初めてオークションで落としたPOMMERY & GRENOの灰皿。シャンパンメーカーのヴィンテージ灰皿は大抵見てきたと自負しておりますが、これは初めて見た形。珍しいなと思ったら、サルグミンヌ(Sarreguemines)のものでした。白い陶器に黒い文字のみ、限りなくシンプルなデザイン。刻印から1920〜1950年前後の製品かと思われます。サルグミンヌは、フランスとドイツの国境の町にあった窯で、歴史は1790年からと古く、品質の良い陶器を制作する会社として評判でした。1870年にサルグミンヌがドイツ領になったのをきっかけに、税金の値上がりを回避する為、1879年にフランス領である内陸部に移転したのですが、それがカフェオレボウルで有名なディゴワン(Digoin)地域でした。それから利便の良いディゴワンと技術力のあるサルグミンヌが一緒になって、今でも人気のディゴワン&サルグミンヌ窯となったのですが、その歴史は1970年まで続きます。刻印も沢山の種類があるのですが、サルグミンヌのみのもの、ディゴワンのみのもの、ディゴワン&サルグミンヌのものと3種類あり、私が調べただけで66種類。それ以外にもあるようなので、その数は驚く程沢山あり、刻印も3種類に分けられるそうです。くぼみのあるもの、印刷されたもの、立体的なもの。その中でも、古いもので短刀で切り込みが入ったものなどは珍しいそうです。こういうことを地味に調べている時間が意外と楽しかったりするのですが、こういうことを研究しているassociation(協会)があるのもフランスの面白いところかな、と思います(笑)。これから暖かくなってブロカントの季節になります。今年もどんなものに出逢えるか楽しみです。

POMMERY & GRENOはもっと新しいものになると、書体もフォルムも丸みを帯びた可愛らしいデザインのものが多いのですが、こちらは縦長のスッキリした書体で、欠けやヒビもなく状態も良好。
最近は相当気に入ったものしか求めなくなったのですが、
久し振りに好みのものを見つけて自己満足に浸っています(笑)。









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