既にブロカントの季節は終わりに近づいていますが、昨日はニュイサンジョルジュで、古いミレジムのワインと古いワイン関連のオブジェの販売が組み合わされた「vide cave」 というものが、初めて開催されるというニュースが入り、訪ねてみました。生憎の雨で、参加者は少なかったのですが、普通の人が自分の家のカーヴで眠っていたワインを販売しているので、面白い発見?もあり、ローカルな楽しいイヴェントでした。
私は、試しにこちらのワインをゲット。販売しているお兄さんに「僕のカーヴは古くからある伝統的なカーヴだから、保存状態は保障するよ!」とカーヴ自慢されてしまいました(笑)どんな風に化けているかは、開けるまでの楽しみ!
こちらのトレーも買ってしまいました。有名なecrivinの言葉なのですが、このトレーを持って歩いていると、周りのおじちゃんやおばちゃんが気軽に声をかけてきます(笑)「いいもの見つけたわねー、マドモワゼル。アラッ、BERNARD PIVOTの言葉じゃない、いいこと書いてあるわねぇ。そうよ、ブルゴーニュワインは楽しむものよ、まさに人生の喜びよ!」
ここでも沢山の道具に出逢いました。
最近では、こういう道具系のコレクターというのは、フランスのみならず、海外にもいらっしゃって、バイヤーが買い付けに来ています。日本では、本格的に売り出すのは「カーヴフジキ」が初めてなのではないでしょうか?
さてこちらは何でしょう?ちなみに既に売約済みでした。 |
こちらのPressoir(圧縮機)は、ラボ(試験所)で収穫前のブドウ(Premier raisin)の糖度やアルコール度数などを調べるために使われていた道具なのですが、こちらは珍しく、ブドウ果汁が直接触れる部分に、釉(email)がかかっています。通常は全て鉄でできていました。では、「なぜemailを塗る必要があったか?」それはできるだけ雑味が入らず、ピュアな果実実を味わいたかったから。でも戦後の食糧難の時期に、このemailを塗ることは、大変費用がかかり、勇気のいる決断だったようです。なので、大抵のPresooirは、鉄のみでできているのです。
そこで、銀座「カーヴフジキ」にもうすぐ届くPressoirはこちら。
こちらは全てemailがかかっているのです!これは大変珍しいことです。まさに一期一会の出会い。その時代のワイン造りにかける情熱と拘りが感じられます。そして純粋に美しいと思ってしまいました。
実はこちらのPressoir.ちょっとしたエピソードがあって、こちらの写真を、店長の加藤美夏さんにお見せしたところ、大変気に入ってくださり、アンティーク商の方のご自宅、オータンまで、取りに行った思い出があります。とても暑い日だったので、冷えたビールをご馳走になり、思わず長居をしてしまいました。今でもお会いすると、「あのブルーのPressoirはもう日本に着いた?」と、まるで自分のお嬢さんをお嫁に出したお父さんのよう・・・そのお気持ちを繋いで、銀座「カーヴフジキ」で沢山のお客様にご覧頂けたら、私達も嬉しく思います。それだけの「価値のある逸品」であることは間違いありません。
「ブルーのPressoirのおじさん」と呼ばせて頂いています。 定年後、ワイン造りの為の古い道具に愛情を注ぐ。 ワインに対する情熱は人それぞれ。 |
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