2015年8月25日火曜日

ロンシャン礼拝堂

ロンシャン礼拝堂に行って来ました。後期ル・コルビュジェの代表的な作品です。フランス語では、La Chapelle du Notre-Dame du Hautノートルダム・デュー・オー礼拝堂と言います。ル・コルビュジェによって設計、1955年に竣工されたフランシュ・コンテ地方にある礼拝堂で,ディジョンからは車で2時間くらい。山の上にあるので、夏の日差しが強いこの時期、徒歩で登るのは大変ではないかと思のですが、電車で来るにはかなり不便なところにあります。今年で建立60周年、ル・コルビュジエ没後50年を迎え、こちらのノートルダム・デュー・オー礼拝堂は、ユネスコ世界遺産センターに推薦書が提出されたとのこと。結果がわかるのはは2016年の6月。世界遺産登録に向けてどうなるでしょうか?
モネの「草上の昼食」みたい?なかなか素敵な場所です。


まずは駐車してからピクニック。館内に入る手前にピクニックスペースがあるのは、子供連れにはとても有難いこと!キャンピングカーで来ている人達もいて、これぞヨーロッパのヴァカンス。みんな考えることは一緒で、まずは腹ごしらえをしてから、木陰で一寝入り(勿論、うちのお父さんも)。その後「さぁ、ぼちぼち見に行くか…」といった感じなんでしょうね。あくせくしないこの雰囲気がフランス(笑)。

入り口にあった木でできた精密なオブジェに目を奪われてしまいましたが、これを見ると炎天下のなか、丘までかなり歩くのかと心配しましたが、実際は散歩するのに丁度いい広さです。


こちらはイタリアの建築家メゾン・ピアノのデザイン。
こんな山奥の片田舎にモダンな建物が並んでいるなんて不思議だね、と話しながら…。
国境に近いこの地域は、中世の時代から巡礼の地とされてきて、この礼拝堂の起源は古いそうです。

散歩しているとpotager 菜園もあります。シスター達が作っているのでしょうか?
ズッキーニなどがなっていました。

ここでは鐘はこのように地面に建てられています。

見る向きや光りの当たる角度によって表情が異なり、どこからみても面白い建物です。

ピラミッド型の戦没者慰霊碑もあります。

夏場は屋外で音楽のコンサートもあるそうです。

この屋根の部分は蟹の甲羅をイメージしたものだとか…。彫刻作品のようにも感じる独特な雰囲気、
素朴な温かさと崇高さが共存する建物。ル・コルビュジェの人柄が現れているのでしょうか?
これまで写真で見たことはありましたが、実際に見ると圧倒されます。

礼拝堂の中には小さなステンドグラスの窓が沢山あって、そこから入る柔らかい自然光が幻想的にきらめき、
これも計算された光りなんでしょうね。穏やかな気持ちになる場所です。


とても暑い日でしたが、そよ風が気持ちよく、広々とした中で子供も自由に駆け回ることができます。
何かの記事で、ル・コルビュジェがこの礼拝堂の設計を依頼された時、無宗教の彼は初め躊躇ったそうですが、この土地に来てこの雄大な自然を見て、一目で気に入りこの仕事を受けた、と書かれていたのを思い出します。やはり旅の醍醐味は、知らない土地で、今まで見たこともない景色に出会い感動することではないかと思います。たまにはこういう経験もいいですね(笑)。


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