最近古い看板に目がいきます。メタルでできたもの、エナメル加工してあるもの、厚紙でできたものなど、色々ありますが、どれも古いものは味わいがあり魅力的です。
今日はフランスらしいGastronomie(美食) に関連した看板をご紹介します。
Ordre mondial des gourmets degustateurs
L'Organisation Mondial des Gourmets Dégustateursとは、Rôtisseurs、日本の辞書で調べると焼き肉屋になってしまうのですが(笑)、鶏のロッティとかローストしたものを扱う業者のことですかね…Rôtisseursのチェーンの、ワインやアルコール、リキュール、オードヴィを専門に扱うセクションで、1963年にパリに設立され、このRôtisseursの支部として統合されました。品質の優れたワインやアルコールの評価、またその奨励、プロモーションを目的とした機関で、主な活動は、ディナーやセミナー、講演、コンクール、会議などの開催。特にワインと料理とのマリアージュの大切さや、ワインのconvivialité(打ち解けた雰囲気)を伝えたい組織のようで、食品のプロモーションと絡めたイヴェントなど、料理とワインの相性といった食の探究にも力を入れているようです。メンバーは、ワイン関係者(ヴィニョロン、醸造家、ソムリエ、酒屋)のみならず、ワイン愛好家など。1998年のシールが貼ってありますが、看板自体はもっと古いものです。
http://www.chaine-des-rotisseurs.fr/fr/devenir-membreLe Bottin gourmand
こちらは、フランスのガイドブックですが1981年に発行されました。ミシュランやゴーミヨ程の影響力はないかもしれませんが、フランスではレストランガイドとしてよく知られています。「本来は資格を失うと返却しなくてはいけないので、ここにあってはいけないはずなんだけれどね…」と売主は言っていましたが(苦笑)、どんなレストランに飾ってあったのでしょうか?
フランスには沢山のレストランガイド、美食に関する本があります。それらを見て素晴らしいなぁと思うのは、日本とは違ってそれらがひとつの情報で終わっていないこと。フランスのそれは料理や料理人対する批評であり、それらがアートや文学と同じレヴェルで行われている背景には、自国の食文化「美食=ガストロノミー」に対する誇り、それを守っていこうとする強い意思のようなものを感じます。フランス程「食」に対するジャーナリズムが成熟している国はないと思っています。
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