2011年9月12日月曜日

PHILIPPE ROSSIGNOLでの研修2011 ヴァンダンジュ始まりました!

今年もPHILIPPEのご厚意により醸造の研修をさせて頂くことになりました。本当は、2日目のヴァンダンジュから参加する予定でしたが、生憎バスがストライキを始めていくことができず…新学期が始まって2日目にしてストライキとは流石フランス。前日にバスのオフィスに確認を行った時には何も言ってなかったのに…1時間も待っても来ないからオカシイと思えば…第一、私の待っていたバス停は現在使われていない、ということも後で分かった(苦笑)今、デイジョンはトラムウェイという路面電車の工事で、町はグチャグチャになっている。路線が頻繁に変わるのだ。職員もそれに対処するのが大変だと思うが、そもそも対処しようなど初めから思っていない気もする。日本だったら、路線やバス停が変更される度に、ご丁寧に新しいバス停までの歩き方など張り紙がありそうだが、こちらは何の予告もなく突然変わる。勿論張り紙なんてないから確認のしようがない。以前は、こういうことに一々腹を立てていたが、今では「またか…」くらいにしか思わない。無駄なエネルギーを消耗するだけ、だ。でもフランスに憧れて留学した女の子は、このフランスの適当さ加減に、始めは戸惑いそして終いには幻滅するだろう。なぜならこういうことが日常茶飯事に起こるのだから。


さてそんな訳で、3日目から参加させて頂きました。
 カーブではルモンタージュといって、色素やタンニンを効率よく抽出する為、発酵槽の下からポンプを使ってワインを汲み上げ、果帽の上にかけて発酵槽内のワインをよく循環させる作業をしていました。この男性の腕を見てください。凄い筋肉ですよね。



収穫されたばかりの葡萄がトラックで運ばれてきました。

ぶどうは醸造所に到着すると、破砕除梗機と呼ばれるこの機械に投入されます。このケース、思わず持ちそうになりましたが、すぐにPHILIPPE「バカなことはよせ」と言われましたが(笑)凄く重いそうです。
果汁を撮る為に果粒が潰され、果梗は果汁と果皮から分離して捨てます、といってもどこに捨ててもいいという訳ではなく、きちんとDISTILLERIE(蒸留製造工場)に持っていきます。それにしても破砕機は見事に実と果梗を分離してくれます。

果梗
                      

こちらはラボに提出する為のECHANTILLON(サンプル)を作っているところ。果汁の糖度を測ります。こちらは屈折糖度計?ですが、古いタイプのガラスでできた糖度計も使っていました。数値に若干の差がでるそうです。
こちらは、昨日提出したもの。結果はその日の夕方にはFAXで届きます。
この時期のラボも大忙し。

SO2添加。今までSO2を添加する瞬間って実際見たことがなかったので、新鮮な驚きがありました。

 


しっかりポンプを固定しているところ。結構重いので動くと事故に繋がります。


 収穫された葡萄を回収しにトラックでBROCHONの畑へ。その際に休憩用の食糧やおやつ、ワインを差し入れします。Philippeが「日本のTVが取材に来たぞー」なんて言うから、真に受けている人がいる…(笑)

  
良いワインは健全な葡萄から…と言いますが、「今年の葡萄はどう?」とPHILIPPEに聞くと、「ça depends」との返事が。「場所による。昨日採れた葡萄なんて小さな実が沢山ついたtrès beau raisins(とても綺麗な葡萄)だったし。」葡萄の房をよく見ると、小さな実と大きな実がついていますが、小さな実は、早く熟して中の果汁が蒸発してしまった状態ですが、皮に糖分が残っているのでとても甘い。実際食べてみてよくわかりますね。


 一般的に今年の葡萄は、7月に雨が多かった為、Pourrir(腐敗)が多くTrier(選別)が必要。


こういう葡萄は写真に撮ると綺麗ですが、食べてみると酸っぱくて食べれたものではありません(笑)


 VANDANGEUR(葡萄摘み作業者)によって摘まれた葡萄はケースに入れられ、このトラックに積まれます。このトラックを運転しているのがPHILIPPEのご子息。それにしても綺麗な青空でしょう!暑過ぎず涼しく収穫には最高のお天気。



休憩時間。みんな朝からワイン飲む、飲む。これが楽しいんだもんね(笑)「のんびりしていると、なくなっちゃうわよ!」と言われましたが、みんなに圧倒されてしまいました。その場で簡単にサンドイッチができるよう、ハムやチーズを切ってタッパーに入れて持って行きます。畑で食べるサンドイッチはなんて美味しいんだろう。まるでピクニックみたい。

 挑戦させてもらいました。

それにしても「PHILIPPE 収穫チーム」年齢層高めでは???思ったら(失礼…苦笑)、殆どの方がPHILIPPEの友達や親戚。なので、ここには、外人部隊(海外からの出稼ぎ隊)はいません。皆さん、普段は違う仕事を持っていたり、既に定年を迎えていたり。でも何十年もヴァンダンジュに参加しているので、手つきは慣れたもの。でもよく見ると、若者がきちんとフォローしているんですよね。重い荷物は持たせなかったり…チームワークは抜群です。

こちらの後姿のムッシュー、ロロンも、以前は会社のディレクターでしたが4年前に定年を迎え、ワインへの情熱からCFPPA(ボーヌの醸造学校)に入り醸造を勉強。その後以前から知り合いだったPHILIPPE に弟子入りをお願いしたとか。PHILIPPEに、「今までは頭を使って仕事をしていたけれど、今は身体を使って働いているんだよ」とからかわれていましたが(笑)、素敵な老後の過ごし方だと思いませんか?奥に写っているPHILIPPEの畑の所有者でもあります。

 
 こちらの白髪のムッシューはベルギー人。同じくPHILIPPEの畑の一部を所有。毎年ヴァンダンジュにご夫婦で参加。自身で収穫した葡萄で造られたワインを飲むのは、感動もひとしおでしょうね。


こちらは先週PHILIPPEが一足早く収穫し、levure sélectionnéを添加し、既に発酵が始まっているもの。炎でわかりますか?これらは一番初めの写真の槽に入れ発酵をスムーズにdémarrer (始動する)為に使われます。さぁ、今年のワインはどうなるかな?

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