2011年9月5日月曜日

PINSコレクション②

これが今まで集めたもの。

PINSもOBJET PUBLICITAIREと呼ばれる、販促活動に使われていたノベルティグッズの一種ですが、今でも、大きなイヴェント、例えばカンヌ国際映画祭とか、ローランギャロス、サッカーイベント等でも配れ、それにちなんだデザインのものをよく見かけます。またワインのイヴェント、試飲会で配布されたものは、その産地が記入されていたり、ピンスにも色んな種類があって、見ていると楽しいものです。

頻繁にチェックしていると、どんなもの珍しいかわかってきますが、ある時、ネットオークションで珍しいものばかり出している出品者がいて目が釘つけになったことがあります。「ピンスにそんなお金出して買ったの?バッカじゃないのー!!!」と彼に呆れかえられたのですが、3つ程(自分の予算を超えていましたが…)勝ち抜いて落としたことがあります(すみません、何の自慢にもなりませんね)。それらは以下の通り。


このVEUVE CLICQUOTのワインクーラーもよく見ると葡萄がついていて感心するくらい繊細なつくり。CAPSULEのようなマダムクリコさんも気にいっています(かなり自分の的にハマった感じです。笑) こういうものは、正直ブロカントでは探せません。勿論ネットオークションでも滅多にみかけることはない、貴重なモノです。その時のご縁から、後日売主から個人的にメールを頂き、「あなたも好きなら、私のコレクションの一部を譲る、もしくはあなたのコレクションと交換してもいいわよ、勿論興味がないならこの話は他の人に回すけれど…」と提案されました。私の持っているものは、「交換?」する程のコレクションではないので、勿論譲って頂くことしかできないのですが、彼女のコレクションを見せて頂き、本当に彼女は只者ではないな…と痛感しました。トップコレクショナーと呼ばれるような方ですね。一見ひと癖ありそうなマダムかとも思ったのですが(値段交渉した時も、ピシャリと断られましたし…苦笑)、話すと気さくで、シャンパーニュ地方に住んでいるそうですが、やはり彼女も、15年近くご主人とブロカントに通い、集めたと話していました。それだけ時間をかけて探さないと集まらない量と質だと、私は実際探しているだけにわかります。ちなみにディジョン周辺だと、名が知れているところで探せて、HENRI MAIREくらいでしょうか。その他VOSNE ROMANEEとかの地名モノがいくつか集まるくらいで、まとまった数にはなりません。今まで集めたものを数えたら110個になりましたが(あらら…)これも彼女に譲って頂いたお陰です。苦労して時間をかけて集めただけに、どれも愛着をもっていますが、これを見て彼は「頼むからそのうちCAPSULEとか集め始めないでくれよ…」と本気で心配しています(笑)
有名シャンパンメーカーのものはほぼ押さえました。(写真は一部です)
この中でも超レアなものは、ドンぺりとCALON-SEGUR,GOSSETですね。
これは自信を持っていえます(笑)

ARTHUS BERTRAND PARIS
1803年創業のパリの老舗のBijouterie(装身具商)Joaillerie(宝石商)。
1803年、Michel Anje Marionという軍の将校が刺繍の会社を立ち上げましたが、同じく1803年に将校、Claude Arthus Bertrandが本屋を立ち上げます。二人は知り合いではありませんでしたが、それから60年後にふたつの会社が統合し、Maison Arthus Bertrandができました。刺繍技術は代々受け継がれ、軍隊式の刺繍や旗、従軍記章やワッペンなどを主に作っていましたが、徐々に軍関係の記章やメダルなども制作するようになりました。20世紀初頭になると、宝飾品を作り始めますが、洗礼式のメダル、特にイタリアルネッサンスに関するオブジェの制作など、徐々に高価な宝石を使った作品を残すようになります。Maison Arthus Bertrandは、刺繍、版画、宝石等いくつかの分野で、伝統技術を不朽のものとしますが、いつの時代も新たなモノづくりへの挑戦を忘れません。多くの古い芸術品作品からも影響をうけ、また数々の有名アーティストとも一緒に仕事をしてきました。そして軍関係のトロフィーの制作に着想し始めたり、またpinsの流行を生み出したのも、実はこのMaison Arthus Bertrandだと言われています。Arthus Bertrandはパリの格式高いメゾンであるだけに、ピンスのコレクショナーには憧れのオブジェなのかもしれません。電話で作品について質問したところ、詳しい情報はお伝えできないと丁重に断れましたが、どれも限定で作られているものだそうです。

広く一般にピンスを集めている方に人気があるのは、ユニークなデザインのもの。誰ももっていないような珍しいデザインが欲しい、これがマニア心理かもしれませんね(笑)
例えばこんなダンサーとか。
こんなセクシーガールだったり(笑)

そして忘れてはならないのがワイン生産者、働くヴィニョロンをモチーフにしたもの。
このルミアージュしているムッシューもオークションで常に人気。

 
働く女性たち。その昔は、ヴァンダンジュも多くの女性が参加していました。
日本からも毎年のようにヴァンダンジュに参加したいという女性が訪れますが、
その苛酷な体力仕事に半日でギブアップしてしまう人も多いとか。
明日からヴァンダンジュが始まります。さて今年のワインはどうなるかな?

こちらは、ペリエ・ジュエのエミール・ガレ「アネモネ」のピンスですが、ヴァレンタインの時に配られたもので、フランス語とオランダ語?で書かれたプチカード付きの珍しいもの。こんなピンスをワイン好きの女の子にさり気なくプレゼントしたら素敵だろうなって思いましたが、日本はヴァレンタインは女性から男性にプレゼントするんですよね…フランスは逆です。

PINSだけでもこれだけの種類があります。まるで子供の頃グリコのおまけを集めていたように、今でもこういった古いPINSを集めて喜んでいる大人がいるかと思うと微笑ましくもあり、またこういったノベルティグッズの豊富さからもワインやシャンパンが人々の生活に溶け込んでいた、そして愛されてきたことが分かります。


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