PHILLIPEに、朝、着くなり、「今日は樽を買いにお散歩に行こう!」と、連れてきて頂いたのは、
ニュイサンジョルジュにあるTONNELLERIE(樽製造業) 「SIRUGUE 」 。
以前、CFPPA(農業及びワイン醸造職業専門学校)でサンロマンにあるFRANCOIS FREREを
訪ねて以来、他のTONNELLERIEには行ったことがなかったので、思いがけない訪問。
「メルシー、PHILLIPE!」感謝です。
SURGUUE は5世代に渡って、TONNELLERIEを営んでいる老舗ですが、現在85%以上輸出が
占めています。主な取引国は、アメリカ、スイス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド他。
こちらはオーストラリアに行くのですね。
樽を生産する上で、「樫材を乾燥・熟成させる時間とそれらを保管する場所」が
大切になりますが、樫材の乾燥・熟成は屋外で最低2年間、ここSIRUGUEでは
6000㎡の敷地をそれに当てています。
Cecileが、工場を案内してくれました。彼女が事務を仕切っています。
先程、外で見た樫板(Merrain)を組み立てます。
樽の組み立て この作業は手作業になります。
樽を温め、形を曲げ易くします。最初の段階が20分、2段階目が10分。
この部屋は冬でも暑く、肉体的にハードな仕事になります。
樽の焦がし…焦がし具合は、お客様の要望によって変えますが、
PHILLIPEは、boiseが好きではないので、あまり強くしないとか…
時に焦がし過ぎは、Cafe bruleと表現しますが、
焦げたコーヒーのような香りがしてあまり心地よくありません。
焼きあがった樽は、まだ温かく、ほのかにバニラの香りが漂います。
こちらで、職人によって丸みを持った形に成形されます。
ハンマーでトントン叩く鋭い音が響きます。
職人さんの腕の太さをご覧ください!肉体労働だということがわかります。
いくつかのMARTEAU(ハンマー)を使い分けて成形されますが、その一つが、銀座「カーヴ フジキ」に飾られています。この種類は、TONNELLERIEにあっても、1個か2個。これらは20世紀初頭に作られ、元々数が少ない上に、現在これらの工具を作れる職人自体減ってきているので、大変貴重であり、アンティーク商の方がおっしゃっていましたが、今ではプロの方も買いにいらっしゃるそうです。やはり職人にとって、優秀な道具は大切なパートナー。木の持ち手が、手に馴染むのかもしれませんね。
こちらが銀座「カーヴフジキ」に飾られているもの |
蓋がはめ込まれます
ワインを注ぐ為の穴があけられ
そして最後綺麗に洗われ
品質チェックを行い
刻印が刻まれ、出来上がり!
ご覧頂くとおわかりになるかと思いますが、いくら機械化が進んでいるとはいえ、
多くの部分が、伝統的な方法が受け継がれ、未だに職人による「手作業」で行われています。
それを担う、優秀な職人を形成するには、専門学校で修学した人でも、その後現場で、最低1年はかかると言われています。
また、TONNELLERIEごとにやり方が違うそうなので、いくら熟練したプロであっても、
また、TONNELLERIEごとにやり方が違うそうなので、いくら熟練したプロであっても、
新しいやり方に慣れるまでには、半年は必要ね、と話すCecile。
それだけに「NOBLE METIER」(高尚な職業)と呼ばれるのかもしれません。
こちらがブルゴーニュの伝統的な樽 = 228リットル、0.75リットル300本分
(番外編)
帰り途で、収穫後にまだ実をつけているブドウについて質問したところ、
これらは「Deuxieme Generation」 「verjus」といい、収穫後に晴れた日が続き、
ブドウが既定の糖度を超えていた場合に限り、その後収穫してもいいことになっています。
試食してみましたが、果皮は苦味がありますが、実は甘くて美味しかったです。
既に秋も深まり、色付き始めている畑は、「コートドール(黄金の丘)」の名に相応しい
美しい風景です。
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