2016年4月28日木曜日

フランシュ・コンテ地方へ旅行 アルケスナン王立製塩所

春のヴァカンスを利用してフランシュ・コンテ地方を旅しました。ブルゴーニュに住みながら、景観で言えば、正直言ってフランシュ・コンテ地方の方が好きです(笑)。それは何と言っても、雄大な自然!自然景観を楽しむことにあります。意外と見所があるにもかかわらず見立たぬ存在なのが残念ですが、今回の旅の目的は、あまり計画を立てず、ぶらっと今まで行ったことのない小さな村をドライブすること!初めに訪れたのは、ディジョンから車で1時間半くらいの距離にあるアルケスナン王立製塩所。でもその前に近くのタンポポ畑でピクニック!ユネスコ世界遺産に登録されているとは言ってもここは商売っ気がないフランス(苦笑)。周りに何もお店がないのではないかと心配したのですが、大型スーパーもあって、パン屋さんやシャキュトリーが買えるお肉屋さんもあったので、その場で色々買って即席サンドイッチに!ご馳走なんてなくても、お日様の下で食べるごはんは最高です。

一面広がるタンポポ畑。こんなにタンポポが綺麗だと思ったのは初めてかも。フランスは景観を邪魔する、広告や看板がない所がいいですね。左手奥に見えるのが、アルケスナン王立製塩所。

タンポポの綿毛を飛ばして遊ぶこと1時間半…。夢中で探しては飽きずに飛ばしてました。大自然の中では玩具がなくても、子供は自然素材を使っていくらでも遊ぶことができるんだな、って感じます。

私の持っている「地球の歩き方」(と言っても10年位前の)には12時から14時はクローズでしたが、現在はお昼時間も開いているようです。駐車場から製塩所までの道も綺麗でした。塀が高くて中は見ることができませんが、これは当時、王家の主要な財源であった塩を扱う場所は、盗まれないように高い塀で囲まれていたそうです。
18世紀、製塩業はフランス経済を支える重要な産業だったんですね。ルイ王朝が拡大した製塩所がこちら。この綺麗な半円形を描くアルケナン王立製塩所の建築依頼を受けたのが、建築家ルドゥ。こちらの建物はのちの産業建築の先取りとなった建物で、この後サランレバンの大製塩所も見に行ったのですが、どちらもフランスの産業遺産としてユネスコに世界遺産として登録されています。


こちらがサランレバンの大製塩所。アルケスナン王立製塩所から車で30分くらいの距離。ブルゴーニュは石の文化ですが、ジュラ地方は木の文化と言えるかもしれませんね。建物に木が多く使われています。
時代的には古いサランレバンの大製塩所→アルケスナン王立製塩所の順に訪問した方がいいのかもしれませんが、この塩街道?なかなか景色も綺麗なので、ドライブにお勧めです。彼曰く、ふたつの製塩所を見学すると、ふたつ目は半額?になるとか。入り口でよく確認してチケットを購入するといいかもしれません。

それにしても、看板に塩の歴史は7000年も昔に遡るって書いてあったのですが、人類の歴史ってそんなに古い?と思ってしまいましたが、17世紀には、800人もの従業員が働いていたと書いてありましたが、製塩業として繁栄した都市で、当時はブザンソンに注ぐ都市だったようです。私たちは、中は見なかったのですが、製塩所には、地下から汲み出した塩水を金属製の釜で煮詰めた設備などが残るようです。アルケスナン王立製塩所の建設により、かなり生産を縮小されたようですが、それでも1962年まで操業してたというから驚きです。生活の必需品である塩は、昔から権力者、国家の支配下にある統制物質として徴税手段の対象品となった歴史があり、フランスでは悪評高き塩税としてフランス革命が起こる原因の一つにもなったと言われているそうです。
塩好きな方にはお勧めの観光地かもしれませんね。でも今は操業してないので、お塩を買うことはできません。
お隣にあるこのモダンな建物はなんだろう?と思ったのですが、カジノでした(笑)。

古い町並みが残る小さな町です。なんとなく洗濯物が干してそうな庶民的な感じがサンパ(感じがいい)で
いいね〜と話したのですが、古い写真のポストカードが売ってたのですが、それを見ると20世紀初頭から大して変化していない感じがします。フランスには美しい歴史的景観が多く存在しますが、その価値を守るための景観保全に関する規制が厳しいと聞きます。変えてしまうのは簡単ですが、変えずに維持する。国家規模で真剣に取り組んでいるから、歴史的環境が保全されるんでしょうね。こういう点に関しては、フランスを尊敬せずには入られません。










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