2011年8月31日水曜日

南仏に行っていました

夕暮れ時のテラスからの眺め。

南仏に行っていました。本当は7月に行く予定でしたが、あまりの寒さに、これでは行ってもプールに入れないということで延期していたのですが、よりにもよって発つ日は猛暑で、天気予報のおじさんも、「IL FAIT TRES TRES CHAUD!!!」(今日は凄い暑さです!)と怒鳴っている程の暑さ。それでも朝1軒大きなブロカントがあるから…と5時起きででかけ、2時間仮眠をしてから出かけたのですが、嫌な予感というのは当たるもの。一日目はなんとか頑張れましたが、2日目から暑さでダウン。食事も取れず殆どの時間をベットで過ごしました。勿論老犬もバテバテ。一時は階段さえ登れない状態に。脱水症状になっては困るので、必死に水を飲ませたり。それもそうですよね、真夏に毛皮のコートを着て歩いているようなものなのですから。独り元気な彼は「マミー(おばあちゃん=勿論私のことね)もパピー(おじいちゃん=老犬のことね)もしっかりしてよー!!!」と嘆いていましたが、こっちからしたら「なんでこんなに暑いのにそんなに元気な訳?」って(怒)、時々年齢差が10以上あるように感じます。こちらは勿論40度近い暑さでも、クーラー、扇風機すらありません。どうするかというと、朝から雨戸を閉め、外気が入らないようにするのです。暑ければ家の中で、もしくは少しでも涼しい木陰で過ごすよう努力?するのです。「プールに入ればいいよ」とも言われましたが、「?????」熱中症で倒れている人が、炎天下でプールに入って治る??? そもそも日焼けに対する概念が、日本人とフランス人では違う気がするのです。なんでこんなに紫外線が身体に悪いと囁かれているのに、そんなに無防備に焼けるのか不思議で仕方ありません。若いうちはいいのですが、歳を重ねるごとに、肌は乾燥でバリバリに。貫録のあるマダムがサメ肌にゴールドのアクセサリーをジャラジャラつけているのを見ても、一度も美しいと思ったことがありません。
意を決して、3日でディジョンに戻ってきましたが、帰ってきて正解。こちらは秋晴れのような涼しい日が続いています。普段はお父さんの家を拠点に、イタリアに旅行したり、南仏に出かけたりするのですが(なぜなら、観光もせず一日中プールにばかりいると私が不機嫌になるから…苦笑)、今回は1回町に出かけたくらい。最後までヴァカンス気分を味わずに、今年の夏は終わりました(苦笑)


南仏ではお庭やテラスにBQセットや、鉄板焼きの鉄板が設置されているところが多いです。夜は軽く前菜を頂いてから、メインは魚介類、鶏肉などを鉄板でさっと焼いたり。こちらでは野菜中心のヘルシーなメニュー。というのもお父さん世代になると、とてもコレステロールを気にし始めます。そりゃ、そうでしょう。若い時にバターやチーズを沢山摂取してきたのですから(笑)ちなみにこういう料理の準備も男性がしてくれるんですよ。女性は楽ちんですよね(笑)

20時過ぎ、少し涼しくなってからテラスで夕食を頂きます。
南仏は感動するくらい星が綺麗に見えます。

素敵なプールであることは分かっているのですが、「プールに入って日焼けした方が健康的」と言われても、できたら日焼けをしたくない私にとっては厳しいものがあります。この強い日差しのなか、いくら日焼け止めを塗っていても、ガンガン焼けてしまうというのに、敢えて焼いてどうする?と思ってしまうのは私だけでしょうか?

暑い、暑い、ひぇーって、老犬もハァハァ言っていますよ(笑)

お庭を散策中の犬。うちもお庭があったらいいのにね、ごめんね。
お庭には、オリーブの木やローリエ、vigneもあります。ちなみに品種はシャスラとか…


見てください、水色の建物の横に黄色の建物、そのお隣にはピンクの建物。日本では有得ない色同士が、見事に調和している。
唯一町に出かけた時の写真。この並木道に、マルシェが立ちます。ディジョンとは売っているものも違って、もっと活気があって楽しいですよ。とにかく野菜が美味しい!!!


2011年8月27日土曜日

ペリエ・ジュエ ノベルティグッズの魅力

ペリエ・ジュエ社について
 ペリエ ジュエ社は、ピエール・ペリエと彼の妻アデル・ジュエにより、1811年シャンパン地方のエペルネーに設立されました。彼等のシャンパンは、発売と同時に評判となり、1800年代後半には、時代に先駆けて辛口シャンパンやヴィンテージシャンパンの醸造を始めたことでも知られており、革新的ですべてに妥協を許さないペリエ ジュエ シャンパンの品質は、フランスのみならず、英国王室御用達になるなど、世界的に高い評価を受けてきました。まさに世界中のセレブから愛される最高級シャンパーニュといえるでしょう。
その妥協を許さない精神は、ノベルティグッズにも活かされていて、どこよりも早く、有名クリエーターと組み、後に残る素敵なオブジェを作ってきました。そういう意味でも先駆者的な存在だと思っています。中でも、エミールガレが1902年にデザインしたアールヌーヴォー「ベルエポック」のボトルは有名ですが、その優美なデザインはフランスでも人気です。今日はあまり知られていないかもしれませんが、エミールガレのみならず、ペリエ・ジュエがコラボしてきたアーティスト達の作品をご紹介します。それらは今見ても、決して古びることはなく、ペリエ・ジュエの卓越した審美眼を感じます。


こちらは、ALBERT GUILLAUMEデザインの灰皿です。彼について少し説明させて頂くと、ALBERT GUILLAUME (1873年2月14日生まれ~1942年8月10日死去)は、パリで活躍した画家、風刺家で、当時ポスターは勿論、人物画やパリのソワレを描いた油絵は特に人気だったようです。彼は、また風刺的なデッサンをパリの諧謔的な雑誌、le FigaroGil Blas, le Rire, l'Assiette au beurreなどにも載せていました。こちらの灰皿は、Faïence Orchies- Moulins des Loups の窯元で作られたものと、シャンパーニュ地方の窯元、VILLENAUXE EN CHAMPAGNEで作られたものがあります。


1950年代に入ると、ペリエ・ジュエは、ロマンティックなイメージを求め、レイモン・ペイネに仕事を依頼し始めます。ペイネは有名なのでご存知かと思いますが、「ペイネの恋人たち」で世界的に名が知れ渡り、一貫して「愛」をモチーフに書き続けたフランスのイラストレーターです。活動の初期は、企業の為の、ポスターデザイン、商品パッケージなど、デザイナーとしての活動が中心でした。可愛らしいイラストの中には、時折お色気たっぷりのものもあったり、ユーモアも忘れません。そんな彼の作品は、今でも多くの方から愛されています。ネットを通してですが、レイモン・ペイネのコレクタ-の方に出逢い、同じ趣味を共感しあって喜んでいる訳ですが(笑)今では珍しいものがあると、「こんなの見つけたけれど、どう?」って気軽に声をかけて頂いています。彼の作品は、いつも愛が溢れていてファンタジーだと思うのですが、ただ「かわいいだけ」では終わらない、時に鋭い風刺が含まれていたり、クスッと笑ってしまうものもあり、それが彼のメッセージであり、彼の作品の魅力のような気がします。でも彼ほど有名になると、類似品も出回っているそうなので、お気をつけくださいませ。写真は、ramasse  monnaieと呼ばれる、お勘定を支払う時のお皿。



彼のサインが入っています。
1980年から1990年代に入ると、ペリエ・ジュエは、GUY BUFFETに仕事を依頼します。彼は1943年パリ生まれのアーティスト。ペリエ・ジュエでは主に、リトグラフやポスターの製作をしました。彼の両親がレストランを経営してたことも関係しているのか、レストラン、カフェ、ソムリエ、ギャルソンなどをモチーフにしたユニークな作品が多いのも特徴。その他だと自然やハワイを題材にしたものも見かけます。フランスより、海外のオークションで見かけることが多いのですが、このお皿も細かくチェックしてようやく見つけたもの(笑)。彼の作品も、ユーモアがあって、楽しい気分にさせてくれるものが多くて好きです。
 ペリエ・ジュエといえば、やはりアール・ヌーヴォーの画家、エミール・ガレがデザインしたアネモネではないでしょうか。ベル・エポックはシャンパンの芸術品と呼ばれていますが、このエレガントなシャンパンボトルがさらにその価値を引き上げているような気がします。こちらのシャンパンボトルにはこんな逸話があるのをご存知ですか?こちらのアネモネは、3代目社長アンリ・ガリスが、当事親交のあった、アール・ヌーヴォーの旗手、エミール・ガレに依頼し描かせたもの。第一次世界大戦の混乱の中で封印されましたが、1964年、当事のセラーマスター、アンドレ・バブレが、エナメル塗料(EMAILLE)で描かれたボトルを発見。「アネモネはシャルドネの繊細さを表現している」と感銘をうけ、シャルドネを主体とした、プレステージキュベをつくりあげる決心をしたという逸話を持つボトルデザインなのです。そして、1969年に5年の熟成期間を経て完成したのが、「ベル エポック」と名づけられたペリエ・ジュエを代表する極上シャンパーニュ。封印された、ガレのアネモネが再び息を吹き返したのです。
 エナメル塗料で描かれたアネモネは芸術的で美しく、飲んだ後の空瓶を捨てられないという人が多いというのも頷けます。実はフランスには、このデザインのノベルティグッズが数多く存在するのですが、その中でもやはり押さえておきたいのは定番の灰皿。そしてシャンパンクーラーでないでしょうか。そもそも生産が限られていたとのこと、今では貴重なコレクターズアイテムです。ずっと探していたのですが、やっとネットで見かけても、値段が高かったり、また素材がガラス、かつとても重いということで、配送不可、取りに来てください、と言われたり。フランスは、日本ほどポストに対して信頼がありませんから、割れるリスクが高いということで、事前に売主に断られてしまうのです(苦笑)なかなか購入する機会がなかっただけに、やっと見つけた時は、喜びのあまり思わず太い声で叫んでしまった程です(笑)


2011年8月20日土曜日

モエ・エ・シャンドンの灰皿


モエ・エ・シャンドンは、LVMHグループだけあってか?宣伝、販売促進活動が盛んで、ありとあらゆる販促グッズをみかけます。最近では、時計、バスタオル、ビーチサンダル、Tシャツ、ポロシャツ、エプロン、財布、パスポート入れ、鞄etc,種類の豊富さでは一番でしょう。PUBの歴史は長く、沢山の素敵なオブジェを作ってきました。特にコレクターに人気があるのは20世紀初頭のワインオープナー。これはいつも高値で取引されます。古いものは贅沢に水牛の角とシルバーでできていて、それは美しいオブジェなのですが、如何せんフランスには「TIRE BOUCHON」マニアというのが存在しますから、簡単には踏み込めそうにありません(苦笑)

今日は、モエ・エ・シャンドンの灰皿をご紹介します。


こちらはGROS CENDRIER BISTOROTと呼ばれる、ビストロで使われることを考えて作られたもの。19501970年代のもので、落ちても簡単に割れないように頑丈に作れらています。作られた時期によって、微妙に窯元が違いますが、ドンぺりのエチケットのようなハートの形といい、葡萄の立体感といい、存在感のある、モエの代表的な灰皿です。最近ではこういった灰皿も段々探すのが難しくなってきているので、自分用にも購入しておいたくらい、お気に入りのひとつです。




こちらも同じく葡萄のレリーフが繊細で美しいVIDE POCHEです。ETAIN ()でできています。モエは葡萄モチーフのPUBが多いのも魅力。

モエ・エ・シャンドンは、1946年リドのオープニングを祝って特別なシャンパンを作りました。




こちらは、以前彼にプレゼントしたこともあるくらい、個人的に大好きな灰皿です。l「EXCELLENT!(素晴らしい)!!!」 といって喜んでいるから何かと思えば、彼の頭にピッタリだとか(苦笑)。ちなみに彼も1978年のヴィンテージ玩具です。
 プラスチック製ですが、LIDOのイラストと帽子の形がキュートな灰皿です。使い心地も悪くないそうです。私はタバコを吸わないのでよくわかりませんが…


2011年8月18日木曜日

Louis Roederer のメニューカード


アンティークの中でも、特に紙でできたものが好きで、古いMENUを集めています。シャンパーニュメゾンが、PUBのひとつとして、このようなメニューカードを作っていましたが、持っているなかで一番古いのが、こちらのLOUIS ROEDERERMENU.コルクの部分にLOUIS ROEDEREとさり気なく書かれています。1936年のBANQUET(饗宴)のものですが、その当時、どのような食事にどんなワインを合わせていたのか…LANGUSTE DU CAP FERE SAUCE MARINOISE 伊勢海老のソースマリノワーズ???どんなソースなのかしら?GIGOT DE PRE SALE…プレ・サレとは、潮の香りのする牧草で育った極上の羊のローストのことですが、その柔かいモモ肉の美味しいことといったら!モンサンミッシェル辺りでの晩餐会だったのかな?と色々想像するのも楽しいものです。手書きの書体が綺麗なので、額に入れて飾ってもいいかなと思っています。


そして、こちらは同じくLOUIS ROEDERER1867年から1976年までの特別な晩餐会での素晴らしいメニューを収集した小冊子です。フランス国内のみならず、海外での大きな晩餐会でのメニューも載っている、なかなか興味深い内容です。まず古いメニューを見て驚くのがその品数の多さとワインの豪華さ!一体何皿頂いていたのでしょうか?GASTORONOMIE(美食)というのも、ある意味体力を要しますね(笑)でも流石フランス、美食の国。こういった文献がきちんと残っているところに感動します。

これらの文献からも、お祝いの席にはワインが欠かせなかったことがわかります。


2011年8月17日水曜日

Auxerreでのブロカント


週末は、AUXERREに住む友人を訪ねがてら、近くで行われたブロカントに友達と一緒に行ってきました。小さな村全体で行われるのですが、500以上の出店者がいたのではないでしょうか?殆どがプロフェッショナルですが、色んなところから来ているようで、私が話した人はノルマンディやリヨン、もっと先のローヌ地方から参加した人も…見応えたっぷりで、翌日足が筋肉痛になったほどです(日頃の運動不足がバレますね…苦笑)ディジョン周辺で行われるブロカントも庶民的でいいのですが、たまに規模の大きいものに行くと、まずは商品量が違うのと、珍しいものに出逢えたり、また新しい発見もあり勉強になります。でも流石にプロなのでお値段はシビア…です(苦笑)

今日は、葡萄モチーフのモノをいくつかご紹介します。


 こちらは、これまでも何度かご紹介していますが、1960年頃まで小学校で使われていたスタンプです。今までで一番大きいサイズかもしれません。



こちらは、1930年代のPUBですが,INDICATEUR DES CHEMIN DE FER」と書かれていますが、「鉄道の時刻表」のカバーです。BYRRAの灰皿はよく見かけますが、このような時刻表は大変珍しく、それでも、以前薄めのタイプをプロが販売しているのを見かけたことがありますが、こちらの厚いバインダータイプ、葡萄柄は初めて見ました。立体感のあるシルバーの葡萄と赤のコントラストが可愛いくて目を惹いたのですが、流石に古いものだけあって、錆びもあり、ついつい売主に指摘すると「l ‘état collect !!!」、と。つまりとても古いものなので妥当な状態だろう、と怒られてしまいました(笑)確かに80年近く経過しているのですから、ごもっともかもしれませんね。

そしてこちらはDUBBONET版。開けてみると、DUBONNET MOLANTの代表的なILUSTRATIONが…今ではこのイラストの復刻版が出回っている程の人気ですが、こちらは正真正銘のオリジナル。フランス人は、古いものを大切にする国民ですが、多少汚れていても、くたびれていても、オリジナルであることに拘ります。その時間の経過を慕わしく思うのでしょう。ちなみには、残念ながらMOLANT現在は存在しませんがMERCIER MUMMと並んで20世紀初頭のPUBの王様だと思っています。素敵なPUBを沢山出していました。流石にこれだけ古くなると、正直残っているものが俄然少なくなるのですが、それだけにコレクターアイテムといえるのかもしれません。


葡萄モチーフのお皿


こちらは、老舗陶器メーカーMOULIN DES LOUPSの銘々皿ですが、設立は1718年と古く、1920年に、ベルギーの陶器会社HAMAGEと合併、1962年にその歴史を閉じた、フランスでは有名な蔵元です。恐らく1930から1950年辺りではないかと言われましたが、年代物の為、完乳やシミなどありますが、比較的よい状態です。葡萄モチーフで難しいのは、どこか可愛すぎたり、野暮ったかったり、正直なかなか気に入るものがないのですが、こちらは、フランス人の友人が探してくれたのですが、シンプルで色味が落ち着いているところが大人ぽく、全員一致で「PAS MAL」(悪くない=良い)ということで購入しました(笑)

いいものは時間が経っても、
決してその魅力が衰えることはないと
実感しています。

2011年8月11日木曜日

lanson ヴィンテージワインオープナー


今日は、ちょっと珍しいワインオープナーをご紹介します。こちらはランソンのAncien tire bouchonですが、for connoisseurs onlyと英語で書かれているように、Made in franceですが、アメリカ人ワイン愛好家向けに配られたものです。まずはパッケージのかわいさに惹かれたのですが、1970年前後のものではないかと思われますが、実はこちらのワインオープナーは、刃物店Cartailler –Deluc &cieのものなのです。未使用できちんとその当時の紙に包まれた状態です。Deluc のワインオープナーは日本でも販売されているので、ご存知の方も多いかと思いますが、こちらのメゾンは1898年創業の老舗で、初めは爪切りバサミやポケットナイフの製造が主だったそうです。1950年辺りから、ソムリエナイフやナイフの製造に転換したようですが、フランスではその使い心地の良さには定評があり、多くの3つ星レストランでも使われています。僅かに丸みを帯びたラインが、手に持った時優しく、表面にはLanson pèrre & fils Reims National Distilleurs products corp New York N-Y-CTHE Proudest Champagne of France と表記されています。残念ながら2003年から他の会社が作っているので、正式にはCartailleur –Deluc &cieという会社はもうありませんが、ノベルティグッズといえども、きちんとした刃物店に作らせているところが、流石LANSONだなぁと感心してしまいました。


2011年8月9日火曜日

アンティークコレクション① Collone Morris


左端にちょこっと写っているのが分かりますか?(苦笑)
 Colonne Morrisってご存知ですが?パリにいらしたことのある方なら、必ず目にしたことがあるかと思いますが、パリの街頭に偏在する広告塔で、フランスの大都市なら大抵あります。映画や演劇の宣伝、ポスターが掲示されてある円筒形の公共街路設備で、夜になると光ったり、回転したり。一度はご覧になった方も多いかと思います。

さぁ、これからゆっくりお掃除しようかな。

 今回ご紹介するのは、アンティークのOBJET PUBLICITAIREと呼ばれるノベルティグッズですが、20世紀初頭にアメリカ人向けに作られたミニチュアの Colonne Morris」です。フランスでは、製造から100年たった工芸品、美術品に対して「アンティーク」と定義していますが、こちらアンティークと呼ぶにふさわしい古い貴重なpubです。頭の部分は、シャンパンメゾンMUMMの広告なのですが、その他の部分は全てフランスの大手アルコール飲料会社のエチケットがついています(NOILLY PRAT, COGNAC MARTELL等)このオブジェは本来、オルゴールのように音楽を聴くことができる瓶?なのですが、残念ながら今は錆びてねじを回すことができません。どんな音楽が聴けたのでしょうか?作りが繊細で、流石に時間の経過で、所々錆びなどもありますが、アメリカ、フランスと旅行し、巡り回って自分の手元にきたことを感慨深く思います。こちらは、ワインオブジェを専門で集めているというアンティークコレクターの方に譲って頂いたのですが、ひとつの「モノ」を通して、同じ趣味というか、喜びを分かち合えることも「アンティーク」の楽しみのような気がします。こうやって少しずつですが、フランス人の古いものを大切にする精神を学んでいきたいと思っています。


2011年8月8日月曜日

Veuve Clicquot ヴィンテージ シャンパンクーラー

久しぶりにブロカントに行ってきました。週末は残念ながら雨が多く、明け方土砂降りの雨の音が聞えた時には「また中止かな?」と諦めたのですが、10時頃から晴れ間が見えてきたので、遅くから3軒程梯子しました。
こんな牛たちにも遭遇。ディジョンに住んでいるとよく見る光景ですが、
間近で見るとちょっと怖いです…(苦笑)

暑過ぎず、寒過ぎず、販売する側にとっては、快適な天気かもしれませんね。店番そっちのけで、ワインを飲みながらランチをしている人も(笑)たまにバーベキューセットまで持ち込んでいる人もいてビックリしますが(どっちがメインなのかな?)、これも「日曜日の楽しみ方のひとつ」なのかもしれませんね。

以前から古いシャンパンクーラーを探しています。一番欲しいのは、モエ・シャンドンのMETAL ARGENTE(シルバー製)で、EMAILLEPLAQUEがついているもの。これは1930年頃のもので希少性があり、それだけにとても人気があって年々値段も高騰してきています。まさにトップコレクショナーの為のオブジェ?だそうで、正直縁はなさそうなのですが、いつか巡り会えたらと気長に待っています。




今日は、珍しいガラスでできたVEUVE CLICQUOTのシャンパンクーラーをご紹介します。初め見た時、最近のPUBに在りがちな、PLEXIGLAS(プラスチックガラス)かな?と思ったのですが、正真正銘の手吹きガラスなのです。どっしりとした重みがあります。これには驚きました。プレス機で製造されるガラスとは全く違う味わいを醸し出しています。
手吹きガラスの特性上、ガラスの中に小さな気泡が見られ、底面にdéfautとフランス語でいいますが、カットした際の傷があります。そして手吹きガラス独特の、ガラスの厚みに若干の差や歪みがあるのです。職人がひとつひとつ作ったのでしょう。以前見たPerrier Jouetのエミール・ガレデザインのガラスのシャンパンクーラーにも気泡が入っていましたが、同時代のものでしょうか?時代は不明ですが、どちらにしても最近のものではないことは確かです。シンプルなデザインですが、ガラスの厚みがあって存在感があります。ガラス好きにはたまらない興味深いオブジェです。

2011年8月6日土曜日

Piper Heidsieck コラボ作品

 
Piper Heidsieckといえば、1785年の創業以来、王妃マリー・アントワネット(Marie-Antoinette)や各国王室に献上された由緒ある銘柄で、フランスではカンヌ国際映画祭の公式シャンパンとして知られています。最近のpubは、バーコード管理された大量生産の中国製だったり、作りが雑だったり、正直惹かれるものが少ないのですが、例外的に注目しているのがPiper HeidsieckPiper Heidsieckは、今までも有名アーティスト達とコラボ作品を発表してきましたが、彼等ほど革新的でキュートな商品を提供し続けるメゾンはないと思っています。著名なデザイナーを起用したプロモーション活動はフランスでも高い評価を得ています。1999年に発表されたジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)の真っ赤なコルセットをボトルに着せたものも官能的で印象的でしたが、確かボトルのくびれを女性の身体に見立てたとか…流石ゴルチエですが、私がずっと心に惹かれていたのはこちら…


こちらは、スペイン人Jaime Hayonのデザインのシャンパンクーラーです。毎朝目覚めの1杯にパイパーを愛飲したというマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)をイメージして作られたと聞いたことがありますが、デザイナーのJaime Hayon氏はその昔やんちゃなスケーターだったとか。(やだ、彼とと同じだわ…)

ホント、おちゃめな感じが伝わってきますね(苦笑)
でも彼はこれでも2006年バレンシアの名門磁器メーカー、「LLADRO(リヤドロ)」のアートディレクターに就任するなど国際的に活躍する若手デザイナーとして認められています。よかったら彼の作品をご覧ください↓

彼のサインとpiperのダブルネーム。

こちらはビストロ用に作られたのでしょうか?充電器がついていて、電気をつけると光るのです。彼の友達、特に男性に好評でJ’adore !」と言いながら、みんなイジッテいます(笑)正面から見ると、ちょっとスタルクぽいデザインかな?とも思うのですが、持ち手がドアノブのようになっているところが、なんともエレガントで気に入っています。流石PiperHeidsieck、華やかなイメージの中にも遊び心を忘れない精神は素晴らしい。こちらは2007年に発売されたものです。 


そしてずっと探し続け、そしてオークションでも負け続け、やっと手に入れたのがこちら。パイパーエドシックとクリスチャンルブタンのコラボレーション「LE RITUEL」。女性のハイヒールでシャンパーニュを飲む”という中世の貴族たちの遊びを、現代に蘇らせたこのコレクションは、2009年に数量限定で発表されたものです。フランスでもパリのコレット、オーボンマルシェなど限られた店舗でしか購入ができず、直ぐに完売になったそうです。意外とフランスより海外オークションで見かけることの方が多いのですが、最近のものにも関わらず、既に希少性があって凄い人気。流石、ルブタンだけあって綺麗なフォルム、セクシーですよね。シャンパンを飲む魅力を再認識させられそうです。


ルブタンは、世界を代表する高級シューズデザイナーですが、その美しいフォルムから、世界のセレブから愛されるブランドです。残念ながら、本物のヒールにはご縁がなさそうなので、こちらのオブジェを大切にしたいと思います。

こちらは1960年代の掌サイズの灰皿。
今も昔もお洒落でこれからも目が離せないメゾンです。
Piper-Heidsieckhpから、最近のコラボレーション作品をご覧頂けます。
シャンパンを飲むことを「生活の中のアート」にまで高めるという
グランメゾンの志を感じて頂くことができるのではないでしょうか?
http://piper-heidsieck.com/home.html