2010年10月18日月曜日

PHILLIPE ROSSIGNOLでの研修

2週間程前から、ジュブレシャンべルタンにあるドメーヌ「PHILLIPE ROSSIGNOL」 で研修をさせて頂いています。ワインの勉強が目的で渡仏したにも関わらず、醸造のことなど未だによく理解しておらず、以前から現場で勉強をしたいと思っていました。
PHILLIPE ROSSIGNOL」は、私にとって思い出に残る大切なワイン。なぜなら、人生に1度の結婚式(そう心から願いたい…苦笑)で、ゲストの方々にお出ししたワインだから。私たちは、結婚式を我が家でやってのけた訳ですが、その時に70本近いワインが空きましたが(苦笑)、翌日皆様から、「あんなに飲んだのに、頭が痛くならなかったから不思議。とても美味しかったよ!」とお褒めの言葉を頂きました。

彼のワインは日本ではあまり知られていませんが、フランスでは  Qualité et Prix」(品質の割に価格がお手頃)のワインとして、LE GUIDE HACHETTE等で高い評価を得ています。個人的には、こちらのドメーヌの白も好きです。「コートドボーヌヴィラージュ」は豊かな果実実の中に、ノワゼットも加わり、時にピュリニーモンラッシェのニュアンスさえ感じます。これが現地で10ユーロ以下で買えるなんてとても嬉しいことです。


PHILLIP ROSSIGNOL 61 AVENUE DE LA GARE 21220 Gevrey-Chambertin
 tel  et fax 0380518117
ジュブレシャンべルタン駅より徒歩5分
ディジョン駅からTRANSCOのバスでも行くことができます

私の師匠のPHILLIPE(左)とLAURENT(右)


かい入れ(果もろみの発酵を均一にする為,かい棒で果帽を液中に突き崩すこと)
PHILLIPEは軽々回してたので、私も挑戦してみたのですが、全く動かすことができず(苦笑)、重労働だということがわかります。毎年この中に落ちて溺れてしまう人がいるそうで、「30秒も中から脱出できなければ終わりだ」と。このような事故は毎年絶えず起り、だから、必ずCuverie(ワイン醸造所)では最低二人で確認しながら、仕事を進めていかなければならないんだ、と熱く語るPHILLIP.










事務所でいろんな製品や ラボでのMôutの分析結果を見せて頂きました。既にこの時点で、ブルゴーニュルージュのANALYSEの結果が良かったそうで、嬉しそうなPHILLIPE.今年は涼しかったから、発酵が緩やかに進んだに違いないと。相手は自然。決して毎年同じことはありません。


Môut de presseMôut de goutteを試飲。一方は先週収穫したもの。既に、こんなに色も清澄度も違います。BOURGOGNE BLANCMôutも頂きましたが、凝縮した果実実と甘み、なんて美味しいんだろう!と純粋に感動してしまいました。こちらは、先週の金曜日に機械で収穫したものだとPHILLIPEは話していましたが(試飲した日の3日前)、後で、そのMôutを買いに来る人がいるとは知らず…




これらのMARCは、回収がきてトラックで運ばれます。勝手に捨てることは厳禁。
勝手に自家製MARCを作ることも厳禁。
規則は厳しい。







あっ、この方は…



DOMINIQUE LAURENT
Môut(発酵前の白ワイン用ブドウ搾汁)を買いにきたのです。



この写真絵になりませんか?
この後、PHILLIPEはお裾わけといって、Chasse(狩猟)で捕まえたLièvre(野兎)!を
差し上げていましたが、生々しいものが目の前を通過…
 
これは槽を空にしているところ。敢えて写真は取りませんでしたが、下半身はパンツ一枚。
「マドモワゼルも脱いでやれ、やれ」とDOMINIQUE LAURENT…(笑)
とても気さくな方でした。



PHILLIPが投げたものを、PRESOIRに流し入れます。慣れない手つきにみんな笑ってます…

滴り落ちるMôut

  


感心したことは、いつも清潔を心がけていること。気がつくと掃除をしていました。
綺麗なキッチンから美味しい料理が生まれるのと同じで、
綺麗なCUVRIEから素晴らしいワインが生まれるのでしょう。


IUVBINSTITUT DOENOLOGIE VIN DE BOURGOGNE)の方が
ANALYSE用のMôutを取りによったところ。

ヴィニョロンの手  
ひとつ、心に残ったことは、SO2無添加ワインがVOYAGER(旅行)を嫌うということに
ついて話し合った時、彼は、「旅行(移動)を嫌う訳ではなく、温度管理が問題なだけ。1819度でバクテリアは発生する、お店側が温度管理をきちんとしてても、消費者が買った後、暑い車の中にほっといたら、お終いだ。
口に入れるその時まで、気を遣ってあげなければ、
生産者がいくら丹精込めて作ったワインでも、一気にパーになる」


醸造のテクニック的なことのみならず、ワイン造り関わるありとあらゆることを親切に
説明してくれる彼らに感謝したい。





 

0 件のコメント:

コメントを投稿